イスラーム教育を巡るポリティクス

中国雲南省における回族社会を事例として

抄録

本発表の目的は、中国雲南省のモスクにおけるイスラーム教育のあり方を巡って行政当局や中国共産党指導下の宗教管理組織、清真寺と一般信徒たちとの間に生じるコンフリクトに着目し、そこでいかに権力が働き、一般信徒たちが権力機構といかに交渉しうるのかを検討することである。事例分析から、様々な意図を持つアクターのつながりによって、権力の働き方は安定的なものではなく、交渉の余地が生まれ得ることを明らかにする。