抄録
アブラヤシ農園の開発に伴う紛争の構図のなかで、中核農園の労働者として地元民ではなく、ニアス島人などの移住者を大量に雇用している実態がある。ウィルマーグループ系のある子会社は、700人の肉体労働者のうち、60%がニアス島出身者であり、その他にジャワ人やバタック人を雇用していて、地元のミナンカバウの住民は非常に少ない。 その要因として、「使いやすい、会社に忠誠を示す」という移住労働者特有の特性を挙げることができる。彼らは会社の治安機構の末端も担っている。地元民は昇進の機会も制限されている。地元民を排除し、移住者を優遇するという傾向のなかに、労働者の管理を通したヘゲモニー関係の存在を指摘できる。