抄録
中国青海省在住のチベット族の人々は、1958年以前を旧社会、それ以後を新社会と言う。それは1958年以前の(西寧馬軍閥支配下にあった)各地方部族の千百戸政権の統治時代と、1958年以後中華人民共和国が民主改革・人民公社、文化大革命、「土地承包制」などを行って以後現在までの時代をそれぞれ指している。 新旧社会はチベットにとって政治、経済、宗教制度など全く相違する二つの時代である。 本発表では、青海省のチベット族社会は、1949年解放以来の中央政府の政策によってどのように変化したか、チベット人はそれぞれの時期において、どう受け止めたか、とくに伝統社会の破壊と、社会主義人民公社の成立と、それが行き詰まって自営農が成立してからの村社会の変化がどのようなものであったかを事例を挙げて語りたい。