抄録
生成AIは大量のデータを学習し、プロンプトに基づいて新たな情報(生成情報)を生み出すが、その情報は入力する者の状況や意図を反映せず、意味や文脈を欠く「情報モジュール」である。したがって、生成情報を社会的・技術的に活用するには、人間による「意味付け」や「文脈形成」が不可欠となる。この人間による判断こそが、多様な知を結集して新たな価値を生む「総合知」と「生成情報」とが交差する領域に位置付けられる。更に、生成情報を取捨選択し、価値判断を行うためには、AIと人間の知を結び付ける「場」の存在が重要であり、その活性化にはファシリテーターの役割が求められる。人間の直感や共感、経験に基づく判断を通じて生成情報に意味が与えられ、社会で共有可能な知として統合される。このようにして形成される人間とAIの協働による新たな知は、「協創知」として位置付けられる。