抄録
一般的に,障害福祉では,障害のある当事者(場合によっては,家族等)のニーズとサー ビスの結びつけを支援として考えることが多い.その前提で,障害者総合支援法を含め,各種の障 害福祉制度が発達してきた.ニーズのとらえ方に関しては,国際生活機能分類(ICF),障害者権 利条約(CRPD)以降,「医学モデル」から「社会モデル」への転換が求められている.「医学モデ ル」は,ニーズの発生する原因を病気や心身機能の障害といった医学的な原因へ還元してとらえる 見方である.これに対して,「社会モデル」は,ニーズの発生は生活のさまざまな側面が相互に影 響しあって生み出される相互作用としてとらえる見方である.さらに,「医学モデル」と「社会モ デル」といった 2 分法を超え,より障害のある当事者自身の主体性を重視した支援の重要性も認識 されてきた5).したがって,これからの支援は,障害のある当事者のニーズに対する(主に制度化 された)サービスの結びつけから,当事者と支援者の両者のエンパワーメント「共に生きる価値と 力を高めること」1)を中心に据えた方向性への転換が求められている.