体重約60kgの「かごしま黒豚」(バークシャー種去勢雄)27頭を,トウモロコシ・大豆粕主体の対照(0%)区と甘藷を10%,20%,30%配合した試験区に分け(6~7頭/区),TDN70%・CP13.5%の各試験飼料を制限給餌して,115kgに達した時点でと畜・解体した.甘藷配合量の増加に伴い,1 日増体量は0%区の602gから,20%および30%区の565gへと減少し,出荷日齢は10%区が最短で,30%区が最長であった.枝肉重量は20%区で最も低かったが、ロース断面積および上物率に負の影響はなかった.筋組織中の19種類の代謝物が甘藷給与に応答して有意に増減し,タンパク質代謝経路の変動が示唆された.食味評価においては,甘藷給与区では“香りの好ましさ”と“脂肪のサッパリさ”についての評価が高く,30%区では“噛み切りやすさ”,“咀嚼しやすさ”,“歯ごたえの好ましさ”についての評価が最も高かった.