抄録
自閉症スペクトラム障害児5名と運動精神発達遅滞児1名が参加する小集団指導において,子ども同士の相互交渉を促進する手続きを検討した.指導場面は大学プレイルームでの始めの会であった.課題手続きの形成期,ベースライン期,I期,II期の4つのフェイズで指導デザインを構 成した.形成期では,対指導者との相互交渉を通じて聞き手の応答を形成した.BL 期では係活動を設定し,子ども同士の相互交渉を設定した.I期では,話し手の働きかけを高める iPadと予告指示を導入した.II期では,話し手の子どもが働きかけを修正することを指導した.指導の結果, 聞き手の応答を高めるには iPadの併用による話し手の働きかけが有効であること,話し手の予告 指示は聞き手の注意喚起を高める効果に乏しいこと,聞き手の応答が生起しない場合に話し手が自身の働きかけを修正する指導が有効な可能性を示唆した.