抄録
ASD を伴う高校生の自己価値の随伴性,自己価値の源泉の充足感,生活満足度の実態を把握し,それらの関係性を同年代の高校生との比較を通して明らかにすることを目的とする. ASDを伴う高校生12名と同年代の高校生50名を対象にして質問紙調査を実施した.その結果,自己価値の随伴性の「運動能力」および自己価値の源泉の充足感の「学業能力」「人間関係」「意欲的活動」が高いほど,ASDを伴う高校生の生活満足度が高い傾向にあることが示された.また,ASDを伴う高校生の自己価値の充足感の「意欲的活動」は同年代の高校生よりも有意に低かった. 結果を受けて各構成概念の関係性等を考察した.「運動能力」においては,内発的動機づけに基づいて自分の好きなスポーツに取り組むことで,生活満足度が高まる可能性を考察した.また,「意欲的活動」においては,ASDを伴う高校生が意欲的に取り組める活動を見つけ,充実した活動に取り組むための支援の必要性を指摘した.