抄録
発達障害のある子どもや青年や成人に特化したもう一つの「セクシュアリティ教育」があるわけではない.本人たちの特性を理解した「特別ニーズ教育」と呼ばれている教育においても, ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性と生の教育である「包括的セクシュア リティ教育」が必要である.しかしながら教育現場においては,「包括的セクシュアリティ教育」 とは似て非なる「生命(いのち)の安全教育」も文部科学省から持ち込まれている.また「腕一本離れなさい」という画一的な方法も使われている.「包括的セクシュアリティ教育」は,具体的には,ユネスコ(2018)改訂版『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』に集約されている.本稿では,「包括的セクシュアリティ教育」の視点から,特別な教育ニーズをもつ発達障害の特性のある子どもや青年たちと性と生に関する教育実践の課題について述べた.