抄録
子どもがさまざまな性的な問題行動をすると,将来,性犯罪者になるのでは,性被害を受けるのではといった不安を支援者はもつ.不安の背景には性の問題行動の特殊性にまつわる 3 つの課題(性のエネルギーの強さ,発達の課題,支援者側の問題)もある.性のエネルギーは強く,なくせるものではないこと,発達の課題として,適切な相手と適切にするという概念の理解が発達障害をもつ対象者には困難であること,支援者側の問題として,支援者の価値観が違うこと,受けてきた性教育が違うこと,相談内容がデリケートであること等である.発達障害の性問題行動への具体的な対応として,性の問題を性加害,性被害,性のマナーの 3 つに分類し,性に必要なコミュニケーション力,性に関するルールの理解,ブレーキをかける力を育てる支援が必要であるがこれら は発達障害に特有のものではない.今後は従来の性教育に性の問題行動への教育も含めることが望 まれる.