抄録
本論文は,アメリカ,ノースカロライナ州の自閉症支援制度である,TEACCH Autism Program の概要とその考え方を,支援哲学,支援方法,介入の方向性といった視点から整理するものである.TEACCH と言えば「構造化」という自閉症支援のキーワードがある.しかし,本論文では,あえてその言葉を使わず「ストラクチャードティーチング」とした.理由は,方法論としての構造化が一人歩きしてきた結果,構造化に対してさまざまな誤解を招いている現状を整理したいと思うからである.最近の TEACCH の研修テキストを主な参考として,改めて TEACCH についてまとめた.そのなかでは,自閉症の理解から始まる TEACCH の支援教育の流れを整理している.ケース報告は,「生涯にわたる自閉症支援」という TEACCH の視点から,すでに成人期を迎えた自閉症青年の成長過程を家族が報告した資料をもとに,話を聞き取ったものをまとめて継時的に報告した.最後は,誤解されやすい TEACCH のキーワードについて整理し,まとめとした.