抄録
発達障害におけるペアレントトレーニング(PT)は,親と子ども双方に対する心理・行動面での有効性に関するエビデンスが多くの研究によって示され,国際的にも推奨され厚生労働省の家族支援施策においても推進されてきている.発達障害を対象とした PT 研究のプログラムの多くは,自閉スペクトラム症や ADHD など障害種別にその効果を実証したものが多く,内容やセッション数も定められている.しかしながら地域で実施される PT の実態調査では,さまざまな障害種が混在した環境で実施されており,研究として確立されたプログラムを短縮したり改変して適用されているという実態が示されている.この背景には研究開発側と実施機関や親側のニーズの乖離や支援者の不足等,いくつかの要因が考えられる.本研究は発達障害に対する PT の国内研究動向と地域の実態調査の結果から,地域において質の高い PT の実装を拡大し,持続していくための戦略について論じる.