抄録
ビジョントレーニングは,特定の目的や手法のトレーニングを指し示すものではなく,視機能,視覚情報処理,目と手の協応等視覚に関する能力を改善するために行われるトレーニングの総称である.発達障害児者では,視機能や視覚情報処理の問題をあわせもつことが多く,日本でもビジョントレーニングが活用されることも増えている.しかし,ビジョントレーニングの本質は,発達特性を訓練で改善することを目指すのことではなく,視機能・視覚認知に弱さがあるケースにおいて,発達特性に合わせてトレーニングを行うことにより,学びやすさや生活のしやすさを目指すことである.そのため,アセスメントにより視機能や視覚情報処理に問題があることを確認し,そのほかの適応もしっかり見極めてビジョントレーニングを実施する必要がある.支援者は発達障害児者のよりよいサポートを目指し,柔軟に個々のニーズに合わせた支援を実践することが必要と思われる.