抄録
市町村福祉行政における障害児者福祉,児童福祉の社会福祉制度は,目まぐるしく変化してきており,特に 2012 年の児童福祉法改正により,障がい児の療育は,都道府県が行う「児童通園施設」の措置から市町村が「障害児通所受給者証」を交付・支給決定する「児童発達支援」や「放課後デイサービス」といったサービス利用のしくみとなった.地域生活のなかで発達支援が必要な子どもの育ちを支えるためには,多機関が連携して支援するしくみが必要であり,その重要性が増している.本稿では,筆者の所属する A 市の取組み状況を事例として,地域療育システムを構築していった経緯をふまえ,市町村で実施されている乳幼児期の発達支援や療育にかかわる各関係機関の機能と連携のしくみについて明らかにし,障がい児支援の実際について実践報告を行うものである.