抄録
本研究の目的は,未就学の重症心身障害児(以下,重症児)と地域の健常児の交流実態を明らかにすることである.調査対象は,都内児童発達支援事業所等全 521 か所とし,質問紙は 5 件法による設問と自由記述を設けた.結果,142 か所(回収率 27.3 %)の回答が得られた.重症児を受け入れ可とした 47 事業所のうち,交流があったのは全体の 22.5 %であり,多くの事業所で交流はなく,今後も考えていないことが示された.自由記述分析では,7 つのクラスターを抽出した. 交流が少ない背景として,重症児の体調不安や保護者の意向,地域との関係構築の難しさが明らかになり,さらに,感染症対策の観点からも,事業所は重症児と健常児の交流に取り組みにくいことが推察された.重症児と健常児が交流するためには,支援者の工夫や交流ができる場の整備が必要であり,個々の重症児の発達につながる教育の観点から重症児施策を見直す必要性が示唆された.