災害情報
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[論文]
水道施設の地震に対する安心度指標の研究
小川 雄二郎
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2004 年 2 巻 p. 71-81

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抄録

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震では神戸市を中心に広い範囲に被害がおよんだ。水道施設などのライフラインの被害も甚大であり、阪神地区では配水管、給水管の被害により地震発生直後から断水が長期にわたり、被災者に飲料水、生活用水の不足をもたらした。この被災の経験により、水道は私たちの生活に欠かすことのできないライフラインの一つであることが再認識された。

そこで、全国人口5万人以上の446都市を対象に、ライフラインとして見た水道施設の地震に対する安心度について、次の研究を行った。

1) 各都市における水道施設の地震対策の程度を、『水道施設(管路)の強さ』と『緊急用水の確保』の2つの安心度指標で定量的に表すことで、都市ごとに市民生活から見た水道への安心度を評価し、都市間の相対比較を行った。

2) 各都市について『断水の影響度』、『経済的な影響度』、『社会的な影響度』の3つの特性と『水道施設(管路)の強さ』との相関を分析し、水道施設の被害が市民生活にどのように影響するかという観点から、都市ごとの安心、不安心を相対的に評価した。

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© 2004 日本災害情報学会
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