災害情報
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2 巻
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特集1 地震対策の検証:2003年に起きた3つの地震への対応を検証する
特集2 フォーラム・シンポジウム
勉強会
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[論文]
  • 林 豊, 山里 平, 新井 伸夫
    2004 年2 巻 p. 62-70
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    気象庁が定期的あるいは緊急時に発表している火山情報の高度化に資する目的で、気象庁地震火山部では2001年度から「火山情報の高度化に関する調査」という一連の調査を行っている。調査は、2000年の有珠山と三宅島の噴火活動に際して気象庁が発表した火山情報を例示し、問題点を問うものなどである。本稿では、一連の調査のうち、地方自治体と報道機関を対象にした調査結果を分析し、火山情報のユーザのうち地方自治体と報道機関の視点から火山情報の問題点を抽出した。

    調査結果を分析した結果、気象庁が発表している火山情報に対して、地方自治体と報道機関は、異常時における積極的な火山情報の発表を望んでいることが確かめられた。また、気象庁の火山情報に対して地方自治体と報道機関が指摘した問題点の多くは、「分かりにくい」ことに集約でき、火山情報が「分かりにくい」原因としては、(1)用語と表現に工夫を要する点があること、(2)地方自治体と報道機関への解説が分かりにくいか不足していること、(3)火山現象の評価と見通しについての言及が不足していること、(4)火山現象を表現するために必要な用語が理解されないことが挙げられることが分かった。

  • 小川 雄二郎
    2004 年2 巻 p. 71-81
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震では神戸市を中心に広い範囲に被害がおよんだ。水道施設などのライフラインの被害も甚大であり、阪神地区では配水管、給水管の被害により地震発生直後から断水が長期にわたり、被災者に飲料水、生活用水の不足をもたらした。この被災の経験により、水道は私たちの生活に欠かすことのできないライフラインの一つであることが再認識された。

    そこで、全国人口5万人以上の446都市を対象に、ライフラインとして見た水道施設の地震に対する安心度について、次の研究を行った。

    1) 各都市における水道施設の地震対策の程度を、『水道施設(管路)の強さ』と『緊急用水の確保』の2つの安心度指標で定量的に表すことで、都市ごとに市民生活から見た水道への安心度を評価し、都市間の相対比較を行った。

    2) 各都市について『断水の影響度』、『経済的な影響度』、『社会的な影響度』の3つの特性と『水道施設(管路)の強さ』との相関を分析し、水道施設の被害が市民生活にどのように影響するかという観点から、都市ごとの安心、不安心を相対的に評価した。

  • 首藤 由紀, 八木 絵香, 木村 拓郎
    2004 年2 巻 p. 82-91
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    本研究では、原子力施設におけるトラブル・事故・災害時における住民等の「情報不安」軽減を図るため、より適切な住民広報のあり方を検討した。

    原子力施設周辺の道府県・市町村へのアンケート調査を通じて、市町村における防災行政無線などの整備は進んでいるものの、詳細な広報計画や広報文案の準備は必ずしも十分でないことが把握された。こうした現状を踏まえ、利用する広報手段、事態進展フェーズを区分し、広報実施の基本フローを整理した。また、住民等にとって必要な情報が常に一定の順序で提示できるよう広報文の「基本構造」を定め、これに従って、防災行政無線(同報無線)などを用いて行う「音声情報用」と、報道機関への報道要請などに際して利用する「詳細情報用」の2つの広報文案を作成した。さらに「音声情報用」広報文について住民等による聞き取り評価を行い、その妥当性を検証した。

    今後は、防災訓練などを通じて、これら広報文案の活用とさらなる検討が必要である。また、広報内容に関する住民等への知識普及を図るとともに、その意見を反映した広報計画の策定、さらには関係機関間の役割分担も明確にした、より詳細な広報計画の確立が望まれる。

  • -消防における広域災害時対応-
    大豆生田 顕, 田中 健次
    2004 年2 巻 p. 92-101
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    緊急時対応では、複数組織を統括するメタ意思決定層、すなわち、平常時の複数の決定組織をまとめるためのさらに上位の意思決定層が必要になるが、このメタ層で適切な決定を下すには十分な情報が前提となる。しかし、初動時には情報が得られないことも多く、メタ層を調整役として重視する立場に立てば、各対応組織が自ずから救助支援の必要性を判断することが重要になる。そこで、自主的な救援の要不要の判断を決定するための新たな二つの方策を提案、誤った判断を最小限に抑えるための最適な方策選択の基準を、現状を含めて数理モデルで明確にする。後半では、広域災害発生直後の消防における応援要請システムに着目、現状の「要請依存型」の弱点を考慮し、自主派遣の具体的なプロセスとして「周辺情報依存型」と「発生源情報依存型」の二種類の応援要請プロセスを提案する。それらをペトリネット・シミュレーションにより比較評価し、情報コミュニケーションの状況に応じて、それらのプロセスを推移させる共存タイプの統合型応援要請システムが効果的であることを示す。

  • -「風評被害」補償における法的論点・対応策とその改善案-
    関谷 直也
    2004 年2 巻 p. 102-114
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    本論文は、風評被害の補償についての法的論点と対応策の現状を論じ、その改善案を提案する。

    風評被害の補償における法的論点は、①損害と事故・環境汚染などの相当因果関係が問題とされる場合、②報道機関など情報発信者の「公共の利害・公益に係わる」名誉毀損が問題とされる場合、③情報発信の意図と内容の根拠に関する「風説の流布」が問題とされる場合の三種類ある。

    現状では、民事裁判などの裁定によって補償されることが多いが、被害者側にとって、a) 手続き上の煩雑さと解決の長期化、かつb) 損害額および原因との因果関係の立証が難しいという問題点があり、これを緩和するためのリーガルサポートが重要である。

    具体的には、対策として①人間の心理や行動の専門家と法律の専門家による、生産者の被害の範囲、被害額の認定、②価格差損的手法による損害額の算定が、重要である。次に、その補償の原資を確保するため基金的制度として、③被害業種毎の共済制度、④加害業種毎の強制保険制度の確立が重要であると考え、これら制度をそれぞれの災害事象に応じて整備することを提案する。

[調査報告]
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