近年、線状降水帯の発生とそれに伴う豪雨被害が各地で発生している。気象庁は、2021 年 6 月から「顕著な大雨に関する気象情報」を発表し、線状降水帯の雨域を赤い楕円で表示しているが、その情報の発信のあり方について知見が十分であるとは言えない。本研究では、線状降水帯に関する情報の課題について整理を行うともに、情報が発信された場合の住民の危険度認識についてインターネットアンケート調査を行った。
その結果、降水量分布図に重ねる形で線状降水帯の楕円を表示することで、その地点での危険度認識を高める効果があることが確認された。一方で、楕円がかかっていない地点では、楕円がかかっている地点に比べて危険度は低いと認識され、安全情報として捉えられる可能性があることが示唆された。また、線状降水帯の現象を正しく理解している人ほど、線状降水帯となるような雨での危険度を高く認識する可能性があることが示された。楕円を提示することよりも、線状降水帯の正しい理解の方が線状降水帯の危険度の認識を高める効果が高い可能性も示唆された。
強雨域や線状降水帯から離れた地点にあっても、線状降水帯の楕円を表示した方が危険度認識は高まる可能性が示された。現在気象庁は、警戒レベル 4 相当でないと線状降水帯に関する情報は発表しないが、海上で発生しているケースも含め、線状降水帯から離れた地点の人に対してもその発生を知らせる意義はあると言えよう。