目的 被災経験のない自治体における災害対応の初動体制に重要な非常参集体制について、より効果的な体制を構築するために被災経験が少ない草加市職員に対し、質問紙調査を実施し、過去の災害対応検証と現在の社会生活を踏まえた考察を加えた。
結果 調査地域の災害時の職員の参集行動の認識には、過去の災害教訓と同様に個人属性が大きく影響を与えていた事が明らかになった。要因として、家族の養護、介護等によるものが多くを占め、特に 30 歳代から 50 歳代の中堅の女性職員などの約 4 割が非常参集を行う際の課題として認識している事が明らかとなった。非常参集すべきかの判断は、職員自身の訓練実施の有無が影響を与え、さらに多くの職員が災害に向けた物品等の準備はしているものの、参集に向けたルート確認や子供の預け先などの環境の整備まで考えているという回答は少なかった。
結語 非常参集は、過去の災害においても実施され、検証されてきた。同じ課題が出されていることから、被災経験、訓練経験が少ない自治体職員の多くは過去の災害教訓を活かされない可能性が示唆された。災害教訓と現在の社会生活をもとに参集方法の検討だけでなく、職員個人の環境に合わせ、参集に向けた物品や施設整備等のハード面の準備と、子供の預け先や、情報の共有方法などのソフト面の準備が必要になり、教育研修等の充実を含めた組織の体制の強化により、多くの課題を解消できる可能性がある。