大雨災害時に広域に避難情報が発出された場合、上階への移動や高層階に留まること等により屋内で身の安全を確保できると判断する居住者は必ずしも立退き避難を必要とするわけではない。しかしながら、実際のところ、どの程度の割合の住民が本当に立退き避難を必要とするのかについては、十分に把握されていない。本研究では、災害リスクのある区域や居住者の建物階数などを考慮し、立退き避難の必要性が相対的に高い人口として「大雨時要避難者数」を全国及び都道府県別に推計した。
洪水災害、土砂災害のリスクがある区域内の人口は、それぞれ全人口の57%、22%であった。洪水災害のリスクがある区域の人口から「建物階数3階建以上の居住者」を除外することで、その人口は全人口比で57%から42%に減少した。土砂災害警戒区域内人口から「建物階数3階建以上の居住者」を除外することで、その人口は全人口比で22%から17%に減少した。洪水災害、土砂災害のいずれかの災害リスクのある区域内の人口は全人口の69%だったが、「建物階数3階建以上の居住者」を除外することで52%にまで減少した。「大雨時要避難者数」は全人口の半数程度であり、とりわけ大都市圏では全人口の25~40%程度であるという推計結果が得られた。