平成17年台風14号時に浸水被害を被った地区を中心に、住民の避難行動と災害情報の活用に関するアンケート調査を実施し、避難情報や災害情報を避難行動に結びつけるための効果的な情報提供のあり方と住民の防災意識について考察した。被害発生の危険性や時々刻々の状況変化が容易に把握できる災害情報の提供は、住民が避難行動を選択する動機づけとして重要である。過去の災害調査でも指摘されているように、自分の住む地域の災害状況や外水氾濫の危険性の把握にとって災害時のリアルタイムの現場映像は有効である。また、公的手段を通じた避難情報の直接的な伝達も避難行動のきっかけとして有効である。一方、災害情報や避難情報が十分に伝達されなかった場合には、過去に水害経験があってもその経験は必ずしも避難行動には繋がらず、災害リスクを過小に評価して適切な行動判断ができない場合がある。被害発生の危険性や災害状況を適切に把握できる災害情報として、災害時のリアルタイムの現場映像、地域・地区別の危険度、あるいは降雨や河川水位の予測値といった災害発生のリスクが認識し易い内容が求められている。今後の水害の軽減策に関して住民の持つ意識と行政の方針は必ずしも一致していない。適切な減災対策を講じてゆくためには住民と行政間で共通の認識を形成する必要があると考える。