災害情報
Online ISSN : 2433-7382
Print ISSN : 1348-3609
[論文]
防災教育の実態からみたeラーニング導入の必要性とその効果
飯塚 陽子外井 哲志末松 孝司梶田 佳孝
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2007 年 5 巻 p. 87-94

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抄録

本研究は,防災教育の現状把握と問題点の整理を通して,ソフト面の対策としてのeラーニングの有効性を分析したものである.大学キャンパスやオフィスビルなどの公共的な施設における利用者への防災教育の実態を調査し,防災訓練等の防災教育は多くの対象が実施しているものの,内容や教育対象が限定的であることや理解度の不足から実際の効果が疑問視される場合も多いこと,すべての災害状況に対応した利用者全員での訓練は現実には困難であり,eラーニングの活用が期待されていること,内容的には疑似体験や音声,動画を利用した分かりやすいものが期待されていることなどを明らかにした.

後半では,高層ビルで勤務している人および小学生を対象として,パソコンを利用したeラーニングと,従来のマニュアルとの学習効果を比較するための実験を行った.高層ビルを対象とした実験では,動的要素を用いた項目でeラーニングの学習効果が高かった.また,音声や動画といった多様な媒体,動的な表現を組み込んだ防災マニュアルへの要望が高いことが分かった.小学生を対象とした実験では,アニメーションや写真を用いた説明が効果的であり,特に難易度の高い学習内容についてはeラーニングの学習効果が高かった.eラーニングでは短時間で効率的な学習を提供できる可能性を示すこともできた.

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© 2007 日本災害情報学会
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