2009 年 7 巻 p. 53-62
不浸透域の増加や局所的集中豪雨の増加に伴い、都市域において都市の雨水排除能力を超える雨水流出による内水氾濫が頻発するようになっている。本研究では、住民が持っている都市浸水の関心や認知構造、行政への信頼度を質問紙調査法により明らかにした。都市浸水リスク、被害の軽減のために公共が対策を行うのはもちろんであるが、住民自ら対応する自助促進への規定因を探るため共分散構造分析を用いて実証的に考察した。その結果、都市浸水の知識を高揚させることで、自らの力で水害に備える自覚が高まり、自主的防災行動意志が高くなり自助行動に移るという一連の構成概念があることを示唆した。