抄録
本研究では、避難誘導時の対人説得場面において承諾を獲得するための技術を高める方策として、架空の説得場面において、被説得者に対して、どのような説得メッセージを用いて説得を試みるのかを話し合う「避難説得ワークショップ」の開発を試みた。具体的には、千葉県内の高校生188名に対しては個人で説得メッセージを考えてもらい、兵庫県内の高校生40名に対しては集団(グループ)で説得メッセージを考える「避難説得ワークショップ」を行ってもらい、両者の結果を比較した。その結果、説得メッセージに含まれる理由に関して、「人的リスク」や「愛他性」に関するものが多く見られた一方で、「優先順位」や「避難コスト」に関するものはかなり少ないこと、説得メッセージで用いられる「言葉遣い」に関して、「提案型」(避難しましょう)が多い一方で、「命令型」(避難しろ)は極めて少ないこと、などの知見を得ることができた。