抄録
目的:成人看護学において、シミュレーション教育を臨地実習前に実施し、その学習効果を検討する。方法:慢性心不全急性増悪・胃癌術後の 2 事例について、シミュレータを用いて観察を行い、チェックリストで振り返りを行う。学習効果の評価は、演習終了直後(知識・技術の定着、臨地実習への準備性など)と臨地実習終了後(実習における演習の有用性)に質問紙調査を行う。結果:8 割の学生は、シミュレーションが実習場面のイメージ化、観察・アセスメント内容の確認、実習事前学習への動機づけにつながり、2 割の学生は、事例と臨地実習場面の相違から学習効果がないと回答した。考察:実習場面に応用できる事例と評価方法の検討が必要である。