抄録
本研究は,建物利用者の作業負担を計測器を活用することにより時系列的に導き,建物の計画や職場環境の改善に役立てるための基礎的知見を得る技法について論じるものである。調査対象は,近年子育て支援において重要な役割を担う保育所とした。分析は,心拍と体温の時系列的分析によって作業負担度を算定し,職員の活動内容と滞在場所との関連を調べた。その結果,職員の役割によって作業負担度が高くなる作業と場所とその傾向を示すことができた。本研究で用いた調査技法の適用によって,建物利用者の仕事や活動に基づいた適切な建物計画を支援できるもと考えられる。