日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
前川國男の技術・芸術観について
1960年代の言説を中心として
中尾 沙矢香河田 智成
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 23 巻 p. 79-84

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抄録
本稿の目的は,本物の建築を目指す建築家・前川國男の技術・芸術観を明らかにし,彼の設計理念の一端を示すことである。本論は,3つの章から成る。2章は,前川の技術観の転換の契機,3章は,前川の技術・芸術観の現れ,4章は,前川の技術・芸術概念の諸相を記述する。こうした考察から,前川の技術・芸術といった概念間の関係を明らかにする。 前川は,「技術」と「芸術」を対比した言説を残している。彼は,「技術」と「芸術」の差異として,「人間精神」との関わりの深さに注目する。現代における「技術」は,「人間精神」との関わりが浅いことを指摘される。こうした「技術」の在り方として,「改変技術」や「工業技術」,「発注芸術」を挙げる。その一方で,「芸術」は,「人間精神」との関わりが深いことを指摘される。また,「芸術」に通じる「絵画や彫刻の技術」と「単なる技術」をともに技術とし,そこに両義性を込める言説も確認できた。
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© 2013 日本インテリア学会
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