2011年3月11日の東日本大震災以降,今後の公共建築 の在り方について様々な議論がなされており,特に生活に 最も密着した集会の場である地域集会施設は,公共建築と 地域との関係を再考する議論の中心にあると言える。その ような状況の中で,今後の地域集会施設を設計する建築家 は,さらに地域との関わりを具体化することが求められる と考えられる。しかし,これまで現代の地域集会施設を設 計する建築家が,地域との関係をどのように考えまた具体 化してきたかといった思考の総体は曖昧であると言える。 したがって本論では,現代日本の建築家の地域集会施設の 設計論の中から,地域と関わりをもつ主題を抽出し,さら にその主題の具体化を領域的に分類整理すること(地域と の接点領域の分析)で,建築家の地域における社会的枠組 みに関する思考の一端を明らかにしている。