抄録
本研究はカフェにおける家具の形状と利用者の行為との関係を明らかにすることで,利用者に合わせた空間づくりに関わる知見を提供することを目的とする。観察調査を行った結果,家具の配置や形状の特徴と行為の関係について,一定の傾向が把握された。勉強やパソコン入力としての利用率が高いのは,壁に背を向けて座り通過動線から離れた落ち着いた座席,比較的天板面が大きくて高いテーブルが好まれた。一方,会話は賑やかな環境で行われ多様な高さのテーブルで利用されていた。食事は座席の配置や家具の形状に関わらず行われていることが分かった。