抄録
本研究は,厚生労働省が発表する人口動態統計,東京消防庁の救急搬送記録,一般市民を対象とした WEB アンケート調査といった各種統計データを用いて,日常災害における人的被害強度分布の推定を行った。人口動態統計からは死亡の件数,救急搬送記録からは重・中等症の件数,WEB アンケート調査からは軽症の件数を求めた。その結果,日本全国の年間あたりの,死亡,重・中等症,軽症の人数は,それぞれ約9,700件,約61万件,約1億2,300万件と推定した。またこれらのデータは,人的被害強度分布図として視覚的に提示した。