抄録
患者にとって,外来診察室は,病状などにより不安や緊張感を感じることも多いと考えられるため,それらを緩和できるような色環境が期待される。一方で色環境を選定するのは医療者であるが,医療者の要望と患者の要望が一致するかについて明らかにされていない。そこで本論では,外来診察室を印刷した CG 画像の評価から患者と医療者の①各着色条件に対する平均印象評定値の比較,②満足度に影響を及ぼす心理変数の比較,③色環境に関する各要件の重要度の比較を行った。結果から,診察室の色環境に対する患者,医療者間の印象評価の相違を把握し,インテリアデザインを考案する際に,検討が必要な事項を把握することができた。