抄録
わが国では、近年「空き家」が社会問題となっており、利活用だけでなく発生の抑制が重要な課題となっている。本研究では高校生を対象として、空き家の認識を広めるための取り組みを行った。その内容として、一方的な説明だけではなく参加型にして効果を高めることとした。すごろくによる疑似体験を通じて楽しみながら正しい知識を身に付けられる工夫を行い、事前及び事後に実施するアンケート調査結果を分析し効果を検証した。分析を行った結果、短時間でのすごろくによる疑似体験では自宅に対する意識を変容させることは難しいが、正しく理解してもらい空き家の認識を広めるには効果があることが確認できた。具体的な結果としては、「だれも住んでいないけど、持ち主がいるので地域で問題視しなくてよい。」、「その家にたまたまだれも住んでいないだけで、そういう家が近所で増えていくことはなさそう。」、「だれも住んでいない家が近所にあるぐらいで、トラブルが起きたりはしない。」という設問には実施前後での差が見られ、空き家に対する正しい理解に一定の効果があることが推察される。しかし、取り組みを通じて自宅の将来に対して意識が変化するかについては効果があまり見られず、実施時間が不十分であったことが要因であると考えられる。