抄録
本研究では,昨今の人流制御・誘導に対する高い関心を背景として,自由歩行空間をもつ渋谷駅構内の人流に平常時・パニック時・復旧時の三様態の条件を加えた際に発生する疎密領域の可能性を探る。歩行者案内システム(以下,「システム」という。)が歩行者の行動短縮や駅構内全体の混雑緩和具合等に及ぼす影響を分析する。分析にあたっては,シミュレーションにより,システムの適切な設置場所,歩行者がシステム前で情報確認にかけられる時間,滞留箇所を解消する有効な誘導指示,簡易システムの追加配置効果を検証する。結論として,対象駅空間においてシステムの適切な設置は混雑解消を促し安全性向上に役立つという知見を得られた。