2021 年 77 巻 2 号 p. 103-111
音声から調音器官の運動状態を表す調音情報を推定する音声-調音逆マッピングは,音声の生成過程や音声知覚の解明の一助となるのみならず,様々な工学的応用に関しても重要である。本研究では,Residual Time-Delay Neural Networkを用いて磁気センサによる調音・音声パラレルコーパスから逆マッピングを構築する手法を検討すると共に,10名の話者それぞれに関して話者依存の逆マッピングを構築し評価を行った。推定誤差を先行研究と比較したところ,評価に用いたすべての話者において提案法は優れた精度で調音情報の推定が可能であった。