著者らは現在ボコーダで音響特徴量を操作することにより,平静音声から嫌悪感情音声を生成することを研究の目標に掲げている。この手法を用いることでテキスト音声合成や,声質変換後の音声への後処理として特徴量を付与することで,嫌悪音声を表現できるようになる。そこで本研究では複数名話者によりコーパス文を読み上げた平静音声と嫌悪演技音声について,音響特徴量に基づく解析・比較を行った。その結果一部話者について基本周波数の低下と,全話者に共通して日本語五母音の第1,第2フォルマントにより表現される5角形の面積の減少が確認された。