近年,小学校に派遣されるスクールカウンセラーは増加しており,求められる支援も多岐にわたっている。その際,スムーズに小学生との関係性が構築できる方法が求められる。本研究では,その一つの方法として交互色彩分割法を用いて小学生に関わった事例を取り上げ,初回面接における交互色彩分割法を用いた小学生とのやりとりと関係性の構築のあり方を検討することを目的とした。
本研究では,筆者がスクールカウンセラーとして小学生に対する初回面接において交互色彩分割法を用いて関わった4事例を提示し,その際の関わりとでき上がった作品をもとに,本技法の有効性について検討した。
その結果,教師やスクールカウンセラーへの反発が強く見られる児童,他児と適切に関わることができない児童,言語表現の苦手な児童に対して初回面接で交互色彩分割法を用いることは,スムーズなやりとりを促進し,良好な関係を構築することに役立つことが明らかとなった。