抄録
AHP手法での最大の欠点は、コピー案あるいは無関係代替案を追加したり削除したりすると、代替案の総合順位での順序の逆転がありうることである。順位逆転は完全整合的な一対比較行列の場合でも起こりうる。この報告では、完全整合的な2代替案および3代替案に対してコピー案の追加によって順位逆転がどのような場合に起こるかを報告する。最大固有値に対する固有ベクトルの要素の合計を1とする従来の正規化法と、ベルトン・ギアーが提案した固有ベクトルの最大要素を1になるように正規化する修正AHP法との比較結果を報告する。