抄録
本研究は、バザール方式として知られるLinuxなどのオープンソースソフトウェア(OSS)の開発スタイルが、唯一最善のものでも、常に採用可能なものでもないことを指摘するものである。本研究では特に、自動車やコンピュータなどの製品アーキテクチャ論が論じてきたモジュラー・アーキテクチャとインテグラル・アーキテクチャの概念を援用し、OSSのモジュラリティが、OSS開発の協働メカニズムに及ぼす影響について考察する。そして、たとえオープンソースとして公開し、開発に協力しようとするボランティアが存在したとしても、OSSがインテグラルなアーキテクチャのとき、コラボレーションは生じにくいと結論づける。