抄録
本論文では,競争状態におけるプロジェクト評価を取り扱う.従来のNPV法では意思決定の柔軟性が考慮されておらず,プロジェクト価値を過小評価してしまう傾向にあった.リアルオプション・アプローチはこの欠点を補完できる手法として,注目されているが,金融市場と同じく意思決定主体を単一としている.しかし,実際の場面においては競合の意思決定の影響を評価することが不可欠となってくる.この競合の意思決定(戦略)を考慮し,自らの行動を最適化するには,ゲーム理論が有効なツールである.モデルはリアルオプション評価により定式化を行ない,部分ゲーム完全均衡を導くことによって競争による価値の低下に対する解法を与える.