抄録
平成24年就業構造基本調査によれば働く介護者のうち6割が40~50代である。今後,団塊世代の高齢化により介護者の増加が見込まれる。介護の終了時期は予測できないため,介護者は疲弊し,離職の可能性が高い。
多くの介護者はスキルや経験をもつ社員である。突然離職する場合,企業は業務維持が困難になる恐れがある。企業は日常的に社員の介護の負担状況を理解し,状況に応じて働き続けられる体制を用意し,突然の事態に備えた社員育成に取り組むことが望ましい。本研究では,企業が社員の介護の負担状況の理解のために社員の介護の状況,勤務状況等を可視化するデータベースについて検討する。