人的資産マネジメントは企業経営者にとって最も重要かつ困難な戦略問題の一つである。本研究の目的は,自社の人的資産マネジメントを定量的に評価すること,統計的な示唆を得て,人的資産マネジメント戦略意思決定の一助となる手法を提案することである。本研究は3つのステップに分けることが出来る。まず,因子分析により人的資産を表す指標を選定する。次に,PAV(人的支出調整付加価値)を定義するとともに,人材構成によって対象企業を分類する。最後に重回帰分析により人的資産マネジメントを評価するモデルを作成するとともにPAVに寄与する人的資産指標を明らかにする。分析対象は2007~2011年度の計210社である。