抄録
2値判別器を複数個用いた多値分類のための構成方法について考察し,レート歪関数の視点より構築したシステム評価モデルによりその性能を評価する.M(M≧3)個のクラス(カテゴリ)からなる分類問題をN個(N≧M-1)の2値判別器により構成する.この問題の構成方法は,M個(符号語数)の長さN(符号長)の行ベクトルを持つM行N列の行列Wをどう与えるかに帰着する.一般に与えられたカテゴリ数Mに対し,分類誤り確率Peと判別器数Nがトレードオフの関係にあることを示し,Mが大きくなる時の振舞いをシステム評価モデルにより明らかにする.ベンチマークデータ(文書分類問題)により具体的な性能を評価し,望ましい性質を持つことを示す.