本研究の目的は、一般化された効用関数が与えられたポートフォリオ選択意思決定において、協力ゲーム理論の枠組みとバンザフ値に基づく資産評価モデルを提案することである。本モデルでは、リスクとリターンに対する効用関数を与え、ポートフォリオを構成するリスク資産の各部分集合に、その資産と無リスク資産を用いて組成可能なポートフォリオの効用の最大値を割り当てる特性関数形ゲームを構築する。その特性関数形ゲームに対するバンザフ値を各リスク資産の評価値とする。本論文では、現代ポートフォリオ理論における最も基本的な資産評価モデルである資本資産評価モデルによるリスク資産評価との比較を通して、本モデルの特徴や発展性を検討する。