抄録
本研究の最終目的は、オーケストラ組織が、演奏会という場においてどのように質の高い演奏を可能にするのかを、組織化のプロセスから解明することにある。オーケストラ組織については、今日的経営組織とは何かを模索する際に多くの示唆を与えるものとして、近年、数多くの研究が進められてきたが、未だ議論は発展途上にある。
研究の手始めとして、オーケストラ組織とはそもそもどのような組織であるのか、その特性を、我が国を代表するオーケストラ組織のヒアリング調査から明かにする。
特に、財政的基盤(経済的価値)の確立と芸術家集団としての演奏の質(非経済的価値)の維持・向上という異なるベクトルがどのように統合されているのかについて着目する。