近年、企業では、従業員の健康管理を経営的な視点から捉え、戦略的に取り組む「健康経営」が行われている。この取組では、身体活動量計とICTを利用した健康管理情報の提供などが行われており、健康管理の価値提案にICTが貢献していると考えられる。また、この情報提供サービスの利用経験情報を交換し、健康管理情報ツールの創造を協働しているとも考えられる。そこで本稿では、企業が健康管理情報の提供を行う際、ICTにどのような役割をもたせ、活用することによって価値提案しているかを、サービス・ドミナント・ロジックの5つの戦略思考(サービス・エコシステム、協働、価値提案、デザイン、リソース構成)の観点から明らかにする。