抄録
本研究は、サプライチェーン(以下SC)内組織による話し合いを伴う戦略とその見直しが、ブルウィップ効果に与える影響を実証する。ブルウィップ効果は、SCの川上にいくほど発注量が増加する現象である。マルチプラットフォーム対応のオンラインサプライチェーンマネジメントゲームを用いて、社会人によるゲーム結果とアンケートデータを分析した。変量効果モデルによる分析の結果、戦略の有無に関わらず、SC間の話し合いがブルウィップ効果抑制に強い影響があった。一方で、累積在庫費用の抑制には、戦略があったうえでの組織間の話し合いが重要であることを実証した。これにより、SCの最適化に対する組織間学習の重要性を提示した。