抄録
近年頻発している大規模災害は住民の経済状態にも大きな影響を及ぼすため,復興過程における経済支援が重要である.本研究では,東日本大震災において雇用創出事業として実施されたCFWに着目し,当時の被災地域を対象とするシミュレーションからCFWの効果分析を行った.被害状況や復興過程での地域産業構造変化,住民の経済状況の変化など,労働市場における企業や労働者への影響を考慮した上で,被災地域を3エリアに分割したモデルを構築した.当時の労働市場指標とのフィッティングによる妥当性確認後,各エリアの地域特性の違いがCFWの効果に与える影響やCFWの設計要因が労働市場指標や要支援世帯の世帯収入に与える影響を分析した.