抄録
本研究では、技術者、ビジネス企画者、クリエイティブ職種が創造プロセスの8段階(Sawyer, 2012)において、思考モード(各種の言語化、イメージの内的表象、他者視点取得など)をどのように使い、業績への貢献、革新性、ユーザーの評判等の成果にどのような効果を及ぼしているのかを、質問票調査(3職種合計n=800)に基づき探索した。その結果、各職種、各プロセス段階で使われる思考モードには大きな違いが見られ、パフォーマンスを向上させる思考モードは、技術者では問題認識段階でユーザー視点の思考が効果的であることなど、実態としてあまり使われていない思考モードが数多く有意に働いていた。