抄録
先行研究において, 医療的ケア児への保育実践には, 様々な職員や子どもとの相互作用や仲間関係の形成など, 他の地域資源では代替えできない機能があることが明らかにされたが, その効果が十分に発揮されるためには, 市区町村による基盤整備が不可欠である.
本稿では, 3つの地方自治体を対象に, 職員体制や研修および連携体制について検討した. 比較分析の結果, 公立機関型(川崎市), 拠点園型(八王子市), ネットワーク型(松戸市)として,それぞれの理念型の特長が明らかとなった. 今後の課題として, 他機関との連携や保育形態の多様化が指摘された.