システム農学
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家畜の排泄物量推定プログラム
築城 幹典原田 靖生
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ジャーナル オープンアクセス

1997 年 13 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

日本飼養標準に基づいて、飼料の量・質や家畜の生産水準などから、排泄されるふん尿量ならびにふん尿中の窒素、リン量を推定するプログラムを作成した。入力データは、乳牛、肉用牛、豚では頭数のほかに平均体重や日平均増体量、乳量などであるが、採卵鶏とブロイラーについては、羽数のみを入力する。また、乳牛、肉用牛、豚では給与量、可消化養分総量含量、可消化粗タンパク質含量、粗タンパク質含量、全リン含量およびふんの乾物率を入力するが、豚については全リン含量のほかに非フィチンリン含量を入力する。採卵鶏とブロイラーについては、給与量、粗タンパク質含量、全リン含量、非フィチンリン含量、ふん尿の乾物率を入力する。本プログラムを用いたシミュレーションの結果、搾乳牛の乳量1kg当たりの排泄物中窒素およびリン量は、乳量が多いほど減少する傾向にあることがわかった。このことは、1頭当たりの適正な搾乳量を決定する上での参考になると考えられる。また、本プログラムを用いることで、標準と考えられる飼養条件下での、1日1頭羽当たりのふん尿量およびふん尿中の窒素、リンの原単位を求めることができる。従来の原単位と異なり、将来飼養条件や生産水準が変わった場合にも、本プログラムを用いて原単位を再計算することができ、家畜排泄物量のより正確な推定が可能となる。

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© 1997 システム農学会
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